昴(スバル) / 曽田正人

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男の子漫画と女の子漫画って本当に違う。絵柄からはじまり、ストーリー、テーマ、装丁まで、まるで違う。売場まで違う。小説なんかも割とそうだけど、作者の性別がそのまま反映する事が多いですよね。当たり前なんだけど。僕は女の子漫画って絵柄がダメなので(少女漫画のイメージが抜けない)、そもそも読む気にならない。逆に女の子は劇画調の汚い絵はダメな人が多いのでは。男女の嗜好が異なるのは当然なのだからそれは全然ふつうの事だと思う。だから僕は、女流作家の作品を読む時は“ああ女の人ってこういう考え方をするものなのか”と、部外者からの立場で読む事が多い。

で、この『昂』。青年誌に連載されていたものだが、題材が「バレエ」である。もうこの時点で男性読者のハートを掴むとは思えない。そして主人公は目がくりくりした女の子である。恋愛ものではないけれども、青年誌でのこの第一印象は大きなハンデではないか。かといって女性が青年誌を読むとも思えない。これは一体どの世代をターゲットにした漫画なのかと問いたい。問いつめたい。

しかしその先入観を越えて、最初のエピローグも我慢して読んでいくと、ドンドンのめり込んでいく自分がいることに気付く。仕舞いにはバレエを観たくなっているのである。ナンナンダコレハ!
バレエはあくまでも題材に過ぎなかったのである。大きな才能を与えられた者を中心に“「表現」とはどういう事なのか”というテーマを描く、あくまでも男性の目から見たバレエ漫画なのだ。だいぶ少女ちっくなお顔ではあるが、この絵柄(とくに線)はやっぱり男性的なものだし、線の骨太さ、勢いが生み出すカタルシスは紛れも無く男性コミックのもの。主人公スバルの圧倒的オーラに引き込まれ、題材に過ぎないはずのバレエにまで関心を抱いてしまう。結局、男女を問わずおすすめできる漫画です(なんだその結論^^;)。

今夜は『リトル・ダンサー』を観よっと。


昴(スバル) / 曽田正人

昴(スバル) / 曽田正人 2005.12.20 Tuesday [読書] comments(0)
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弥次喜多 in DEEP / しりあがり寿

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こんなマンガ見たごどねぇ。
こんなマンガ見たごどねぇ。
2回言ってしまいましたが、本当にこんなマンガ見たごどねぇ。しりあがりさんに関して、僕はだいぶ前にヒゲのOLナントカってのを読んだのですが、そのシュールなギャグがいまいち理解できず、それ以来マイ・テリトリーから外れておりました。この漫画もどーせまた独りよがりなギャグ漫画だろうと勝手な偏見を抱いておりました。それが最近クドカンによって映画化されたという事もあり、まぁ話のタネぐらいの気持ちで借りて読んでみたのです。
冒頭数ページのサイケデリックな展開で一瞬にして心を奪われてしまいました。“これは間違い無いぞ”と。支離滅裂で詩的で、狂っていながらも秩序があるようなないような…、とにかく間が絶妙。今までの漫画の概念を遥かに超えたブっ飛びっぷりのその創作の中心にある志は、今までの漫画の概念の中には無いです。夢と現実が交錯するこの壮大な世界観は、手塚治虫の「火の鳥」シリーズともタメを張ると言っても過言では無いでしょう。非常にアート然としているんです。そして変態。

でもね、これ程までにワケがわからないカオス大暴走でありながら、最終的にはちゃんと着地するんだろうなという安心感(漫☆画太郎にはこれは無い)というか、漫画は気狂いだけどこれを書いた人は至極まともだろうなと感じるんです。“まとも”って世間常識的なという意味じゃなくてね。変態にも負の変態と正の変態があると思うんですよ。それが↑で書いた“秩序”みたいなものを感じる所以かもしれない。つまり人柄ですかね。
騙されたと思って読んでみてください。
この独特な絵柄がダメな人はダメでしょうが…。

ちなみにこの廉価版は、巻が進む毎に本の厚さが増していき、最終4巻は辞書のようなボリューム。読みづらいです。こういうわけのわからないところが好きな人にはきっと堪らないでしょう。


弥次喜多 in DEEP / しりあがり寿

弥次喜多 in DEEP / しりあがり寿 2005.12.14 Wednesday [読書] comments(0)
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