スマホ子守やめてという正論やめて

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昨夜、寝る前に目にした記事。

スマホ子守やめて…小児科医会 啓発へ - 読売新聞

「スマホに子守をさせないで!」。日本小児科医会(松平隆光会長)は、乳幼児の心身の発達への影響が心配されるとして、来月から、スマートフォンの利用を控えるよう保護者に対し啓発活動を行う。

スマホの普及に伴い、絵本やパズルなど乳幼児向けのアプリも増えている。中には100万回以上ダウンロードされている人気アプリもある。スマホを子供に渡して、こうしたアプリで遊ばせたり、アニメの動画を見せたりして、放っておくケースもあるという。

 東京都内の1歳児の母親(32)は、「子供が外出先でぐずると、つい渡してしまう」と打ち明ける。

 今月1日には乳幼児向けアプリを企画・販売する企業が、乳幼児のスマホ利用のガイドラインを独自に作成した。「親子で会話をしながら一緒に利用しましょう」「創造的な活動になるよう工夫しましょう」など5項目で、ホームページで公表している。

 ただ、日本小児科医会の内海裕美常任理事は「乳幼児期は脳や体が発達する大切な時期。子供がぐずるとスマホを与えて静かにさせる親がよくいるが、乳幼児にスマホを見せていては、親が子供の反応を見ながらあやす心の交流が減ってしまう」と指摘する。また、画面をなぞるだけの仮想体験を重ねることが、手の機能や五感を育むことに影響を与えかねないと心配する。


気持ち悪い記事だなあと思いつつ、眠かったので深く考えずにそのまま入眠。
翌朝、さっそくこの記事に噛み付いているやまもといちろうさんの記事を目にして、たいへん共感しました。実際に現在進行中で子育てをしている親からしてみれば、やまもとさんの言っている内容に頷くことのほうが大きいと思います。少なくともぼくは、ほとんど同意です。

「スマホde子守」の是非(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

基本的には、レストランや電車などの公共交通機関など、騒いで欲しくない局面で必ず騒ぐ仕様になっています。この親の顔が見たい状況に陥るのは、私たち親の教育が悪いのではありません。そこに子供が登りたがる高さのソファーだったり、子供が投げやすい形状の調味料入れがあったり、くぐって腹ばいになるのに適した大きさのテーブルであるとか、騒いでいる子供を見ると露骨に嫌な顔をする年寄りやカップルに責任があります。

(中略)

朝から晩まで頑張って育児していても、何でもするのが子供というものであります。

私たち夫婦が何も悪くないということを存分に読者に印象付けたところで、出てまいりますのはこちらのiPad。もうね、これのお陰で父親母親が人間らしい生活が送れるのだといっても過言ではないほど、大騒ぎが日課の兄弟には抜群の効果をもたらしてくれます。最高。

(中略)

こんなスマホで少しの時間大人しくしてくれて、他人に迷惑がかからず親も息抜きできるんであれば、そう多くない時間与える分には何の問題もないのではないでしょうか。


もうまったくその通りでして、大人が「言ってきかせる」ことが出来るんなら、誰も苦労しないですよ。日本小児科医会のお偉い先生方によれば、まるで、子供にスマホを見せている親は子供の反応を見ていないとでも言いたげですが、スマホを与えてでも静かにさせなきゃいけない、というところまで親を追いつめているものは何なのかについて、少し思いを巡らせたらいかがかと思います。

おそらくいつの時代にも繰り返されてきたであろう「しつけ論」。親学や道徳教育やらといかにも親和性の高そうなご高説です。それらは「正論」という顔をしています。ぼくが気持ち悪いと感じるのは、その多くが紋切り型の定型文になっている点と、それらが自身を戒めるためのものではなく他人を貶めるためのもとして機能しているからです。

子供が「騒ぐ」「ちゃんとしない」のは、親がちゃんと「言い聞かせない」のが悪いからだと。子供の育ちにとって、家庭での環境が第一のベースになることはその通りだと思います。家庭での教育が最重要であることも頷けます。しかしだからといって、「悪いとき」だけ親のせいにされるのではたまったもんじゃありません。ふだん「言い聞かせ」していないとでも?というか、なんでそういう時だけ他人の子供の教育に首をつっこみたがるのか。あんたそんなにおとなしく大人の言うことをきく「良い子」だったのか。

そりゃあね、「親が子供の反応を見ながらあやす心の交流」で、子供が公共の場で「良い子」にしてくれるんなら、それにこしたことはありません。そりゃあね、安易にスマホを見せて静かにさせることに躊躇がないわけじゃないですよ。出来ることなら、「言ってわかる」子になるような家庭教育を実施したいですよ。だけど、それはあくまで机上の論理です。現場を無視した理想論です。

読売新聞の元記事が、印象論だけで書かれた粗雑な論旨なので、ぼくも印象論だけで書きます。自信をもって他人に語れるような子育てをしているわけでもありませんし…。

しつけって要はルーティンワークなわけじゃないですか。「言えばわかる」というのは結果的にはそうなのかもしれませんが、何回言ってわかるか、何万回言ってわかるかはその子の個性によります。数式だってすぐに覚える子もいればなかなか覚えられない子もいる。逆上がりだってそうです。向き不向きにもよる。しつけも同じようなもので、同じことを延々と何万回も言い続けることで、ある日とつぜんに出来るようになるのだということを聞いたことがあります。いまうちの息子は4歳ですが、ぜんぜん言うことを聞きません。それはもうびっくりするくらい「言ってもきかない」。いつかわかるようになると思わないとやってられません。じゃあその「言ってわかる」までの回数が、子供の善し悪しを決めるというのでしょうか。

おそらく、こういう「しつけ論」をぶつ人って、子守りをしたことのない人か、子育てがスムーズにいった人かのどちらかでしょう。子育てがうまくいったというケースは、それが親のやり方がよほど良かったのか、子供の性格が良かったのか、それともたまたまだったのかは分かりませんけれども。いずれにしても、自身の成功体験を子育ての極意みたいにすべての子育てに当てはめて上から目線で語るのは、そこから外れる人への圧力にしかなりません。子供の性格や育ち方は千差万別ですし、誰だって望んでガミガミ叱ったりしたくなんかないし、それが「しつけ」なのか自分の怒りの感情なのか判然としない境界線上で揺らぎながら子供と向き合っている親御さんのほうが多いと思います。

それと、大人の「言うことをきく」子がほんとうに「良い子」なのか。それって「大人の都合」という物差しでしか見ていないんじゃないか。という問いかけは自分の中に常にあります。もちろんだからといってすべて「子供の都合」に合わせていたら生活が成り立たないことは重々承知しています。これは答えのない問いです。

「正しい子育て」なんて存在しない。スマホが普及してから、たかだか数年です。子供の成長に与える影響を判別するにはスパンが短すぎる。というか、子供にとって良い影響か悪い影響かだなんて、誰がどういう基準で決めるんでしょうか。「誰かの都合」にすぎないってことはないでしょうか。


印象論を加速させます。読売新聞の元記事が気持ち悪いのは、「いまの親はダメだ」という個人的印象に基づいて、その印象を増長するための論旨展開でしかないからです。1歳児の母親のなんてことない台詞を、まるで悪いことをしているかのように「打ち明ける」と表現したり、「スマホを子供に渡して放っておく親」というイメージに基づいてミスリードしていることが端々から垣間見える。新しいモノが登場すると必ず表出するアレルギー反応にも見えます。

子供の「ゲーム脳」を問題にするより、こういう記事を書く「偏見脳」のほうがよっぽど害悪だと思います。自分らの頃にはこんな便利なものは無かった、というやっかみ以上にこのような「啓発活動」を行う理由があるんでしょうか。「正論」をぶつ自分に酔ってるだけじゃないの。こういう「啓発好き」な人にかぎって、公共の場で子供が騒ぐのは親のしつけが云々と説教を垂れて親を追い込むわけで。何の躊躇もなくスマホを与えて放っておく親、というモンスターペアレント像は、「啓発好き」な言説が作り上げた虚像に近いと思います。子供にスマホを見せたその一瞬だけを切り取って、親の教育が云々言い出すのは、あまりに早計で稚拙です。

くり返しますが、親の言動が子供に与える影響は間違いなくあります。そんなことは、多くの親御さんはわかってます。わかってる上で、スマホを使うことだってありますよ。いまうちの息子は4歳ですが、ぜんぜん言うこと聞きません。それはもうびっくりするくらい「言ってもきかない」。もう毎日おなじことでガミガミくり返し、こっちが嫌になります。それでも言い続けずにはいられないのは、親だから。何万回と言い続けることでいつかわかるようになるというのを信じるしかない。だけど四六時中子供と向き合っているだけの時間はありません。それに親だって疲れるし、休みたいときだってある。それを上から説教されたり、冷たい視線を投げ掛けられたりするのは、無言の同調圧力という刃にしかなりません。なんの助けにもならない。

たまたま外で見かけた他人の子育ての一コマを、勝手に脳内でモンスターペアレントに化けさせて、勝手に憂いて、勝手に正論を押し付けるのは、あんまり良い趣味じゃないと思います。日本小児科医会という「権威」を装ってこういう記事を吹聴するのはやめていただきたい。と、こういうことを書くのもあんまり良い趣味じゃないですが、愚痴りたかったので。駄文失礼しました。


スマホ子守やめてという正論やめて

スマホ子守やめてという正論やめて 2013.11.18 Monday [子育て・教育] comments(3)
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極端じゃないですか?
学会の声明はあくまで啓発・警鐘程度だと思います。

家庭の中で、子供が泣いたりぐずったりするときまでスマホ、泣いたらスマホ、子供を黙らせるためにスマホ、っという状態は良くないですよ!親子の触れ合い減っちゃいますよって事だと思います。

主が思われるように、公共の場で他人に迷惑をかけたり不快な思いをさせる可能性が大いにあるときはスマホ等に頼って良いと思います。そこを否定される方は少ないと思いますよ?
原文にもありますが、長時間の接触を危惧しています。
一日の中である程度ならデジタル・メディア機器との接触時間はOKって書いてくれてますよ?原文読まれましたか?


あと、子供の成長に与える影響に関してですが、期間が短すぎるなんてことありません。影響がでてからでいいですか?危険が予想できるなら早々に対処した方が良いと個人的には思いますよ。

スマホが無い時代から子供と親の接触時間が子供の心身の発育に影響を与えてきた事は間違いありません。テレビのない時代に子供一人を放置して一人遊びさせる、テレビやビデオをずーっと見せて一人遊び、時代と共に方法は変わってますが、親が子供のご機嫌の良い状態で長時間放置。それも日常的に。これが問題なのです。過去の長い研究から、そのように育った子供は人との関わり方が苦手な子供、笑顔の少ない子供〜などなどいろいろと分かってきているのです。
主もお気づきの通りスマホが普及して数年、まさに子供を放置するときの親側のツールに変化がありましたって事も含めた警鐘だと思います。


同じ子育て世代として多くの共感もあったのでついついコメントしてしまいました。

とおりすがり(30代専業主婦、子6才3才) (2017.02.27)

とおりすがりさんの↑コメント含め。
本当にスマホが与える影響は多いのでしょうか。
果たして、ビデオゲームが子どもの発育にどのくらいの悪影響を与えたでしょう。
テレビがどのくらい子どもに悪影響を与えたでしょう。
どちらも生活に馴染んでしまいました。
どんな生活にも善し悪しがあるのは当たり前のことです。
30年後、スマホの悪影響で人間が愚かに育ち社会に馴染めないのがデフォルトになるとは到底思えません。
今の大人、ゲームの類が無ければ人生が輝かしかったはずだと親を恨む人がどのくらいいますか。
団塊の人たちがテレビが無ければ、もっと年金を貰える生活になってたはずなのに。と後悔している人はどのくらいいますか。

スマホの文化に於いてもその比率が大きく変わるようなことはないでしょう。
いつもの、過剰反応です。

とおりすがり。 (2017.05.04)

自分が子供に良い影響を与えられていないとわかっていても、それを「しょうがない」と正当化してて、胸くそ悪いです。
前人の忠告を聞かない親だから、子供もいうことを聞かないんだと、実証しています。
被害妄想、気持ち悪いです。
何万回でも付き合うべきでは?親でしょ?










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