三宅洋平(比例区)緑の党 唄う選挙演説

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「政治のことば」を変えようとしているーーー

三宅洋平さんの「唄う選挙演説」を見て、ぼくが感じたのはそういうヴァイヴでした。こういう選挙演説もアリってこと、それ自体がおもしろい。



「いつものスタンスでマツリゴトを…スーツも着てみたけど、俺にはどうしたって窮屈で。日本の社会もスーツも。」
この迎合しないスタンスをぜひ貫いて欲しいです。映画「立候補」を観た後なので、なおさらそう思います。

連日35度を超える気温で、日本はもう温暖湿潤気候じゃなくて亜熱帯地方に突入したわけじゃないですか。タイとかフィリピンの仲間でしょう。いつまでもバブルな経済成長が続くわけないし、いつまでもスーツの時代に縛られてるときじゃないのですね。

埼玉大会で熱中症相次ぐ 熊谷38・3度
現実を無視した、こういう監督の時代錯誤な精神論や、杓子定規な日程組みによって熱中症が拡大します。気温の変化にも、時代の変化にも適応していくことが、それこそ「グローバル人材」育成なのでは。
気温が変わったのに、伝統という名を借りた自分の思い込みを変えることができない。日本の行政組織が硬直化しているのは、スーツに縛られているからです。スーツという「政治のことば」に縛られている。




三宅洋平さんの「唄う選挙演説」は、軽やかでした。

「政治のことば」を変えるって、べつに「チャラい言葉」を使うってことじゃないです。ぼくみたいなもんには、三宅さんの演説は熱すぎて眩しいし、いきなりタメ口っていうのもどちらかというと苦手です。だけど、そういうことじゃない。「政治のことば」を変えるって、そういう表層的な意味じゃない。「政治をマツリゴトに」という主張は、スーツを脱いで、新しい「政治のことば」を紡いでいこうぜ、ということだと思います。

三宅さんが変えようとしているのは、「公」という言葉の概念です。「公」を自分たちのマツリゴトとして引き寄せようとしている。前回の記事で書いたことのくり返しになりますが、大事なのでもういちど書きます。

日本では、公務員は既得権益とされてバッシングの対象になります。公務員や議員を減らせという声が世論としての主流です。まるで公務員が多いことが問題であるかのように扱われていますが、日本は公務員の少ない国であり、すべての欧米先進国より少ないというデータがあります(参考)。
「滅私奉公」なんていう言葉が美徳としてあることから考えても、日本における「公」という言葉の位置づけは推して知るべしです。

nakanemisaさんのツイートより
7〜8年前、diversity MLで「公」の概念がヨーロッパと日本ではまったく違うことを知った時は衝撃を受けた。「公」というのは「自分たち」のことなんだと。

公とは「お上」のことではなく、「自分たち」の総意。教育の捉え方は、この「公」の捉え方で大きく変わる。今ある社会に適応させること。ここ数十年の日本の教育の主な目的はそれだった。でも本当はもう一つの大切な側面がある。どんな社会をつくりたいのか、自分の志向や意志をもつ人を育てることだ。


「公」という言葉の使われ方と、「Public」という言葉の使われ方がまるで違うんですね。それらの言葉を聞いて想起するイメージもたぶん違うし、それらの言葉が使われるバックグラウンドもまったく異なっている。

2009年の政権交代で民主党が、松井孝治参院議員が中心となって打ち出した「新しい公共」とは、つまりこの「公」という言葉を再定義しようという意味でした。いままでの「お上にお任せ」型の政治から、有権者が「自分たちで引き受ける」政治へ。鳩山由紀夫氏が言っていた「裸踊り」もそういう文脈であったわけです。これは日本の政治史において、相当にドラスティックな変化になるはずでした。当時のぼくは、その期待も込めてこんな記事を書いています→「公」と「私」

だけど、そういうことはあまりアナウンスされなかったし、そういう認識は人々の間にほとんど浸透しなかった。民主党の迷走とともに、「新しい公共」はいつのまにか立ち消えて、そして忘れ去られていきました。

人々の意識下にある「お上にお任せ」は根強い。民主党が崩壊した後の自民党への振れ幅をみていると、そう感じざるを得ません。民主党がダメだったからやっぱり自民党、だなんて短絡的すぎる。知的な逡巡がなにも無い。だけどしょうがない。長いこと「お上にお任せ」でやってきた日本市民のバックグラウンドはそういう文化的土壌なのだから。一度や二度の政権交代で簡単に意識が変わるわけないんです。何十年もかけて、言葉とともに成熟させていかないといけない。

だからこそ、教育が重要です。

nakanemisaさんのツイートより
この世界のルールを知って従うことも必要。でも同時に、あなたは自由な意志をもって生き、この世界とルールをつくっていく一人でもあるということ。

意志をもつように育てるための何か特別な方法があるわけではないだろう。ただ言えるのは…子どもと、親や先生(学校)との間に、双方向のやりとりがあり、そのせめぎ合いで状況を変えていける体験することではないだろうか。一方的に押し付けるだけでは、考えない受け身な生き方を身につけさせてしまう。


「教育改革」が必要だと、誰もが言います。
だけど、どういうふうに変えていけば良いのか、その中身はそれぞれの考え方によります。自民党と民主党の教育観はぜんぜん違いました。「教育」という言葉で一緒くたにできない多様性をもっているのが、教育だと思います。言葉の字面通りの定義ではなく、話し手と言葉が含むニュアンスを見ないといけない。

「教育」という言葉を聞いた時に、ぼくたち大人は、自分が理解できる範囲で勝手に自分なりに解釈してしまいがちです。子供は、大人がもつ偏狭な理解や解釈を超えていく可能性をもっています。双方向のせめぎ合いを通して、言葉がもつ意味を再定義していくのも子供たちです。

「滅私奉公」から「活私開公」へ、「公」という言葉の概念が変わるとしたら、きっとそれまで無関心だった人たちの政治に対するスタンスも変わります。だいたいにおいて、「政治」という言葉を聞いたときにまずはじめに受けるネガティブなイメージをなんとかしたいですよね。政治家って、本当はクリエイティブな仕事であるべきだと思います。

フルタルフ文化堂 より
コトバが変わると人々の気持ちが変わる。政治が変わる。社会も変わる。人々のコミュニケーションのスタイルも変わる。だからリーダーこそが、しなやかなコトバ、自分のコトバで語りかけることは、本当に大切だ



演説の中(17:00〜)で、三宅さんがカバーしているトレイシー・チャップマンの「Talkin' Bout A Revolution」という曲。ぼくも大好きな曲です(ライブ映像)。
88年にリリースされた彼女のデビューアルバムに収録されています。


著者 : Tracy Chapman
Elektra / Wea
発売日 : 1994-07-08



いままでずっと歌詞の意味も知らずに聴いていたのですが(歌詞が分からなくてもヴァイヴを感じることができるのが音楽なんですよ、と言い訳)、この度きちんと歌詞カードを読んでみたらちょっとズシリときました。

Tracy Chapman 「Talkin' Bout A Revolution」歌詞対訳
ねぇ 判る?
世の中が言っているのは 革命のこと
ささやきのように・・・

幸福の 囲いの中にいても
救世軍には 涙を見せる
仕事もなく 無為に時を過ごし
けれど 何かを期待している

貧しい人々が今 立ち上がろうとしている
自分のものを 勝ち取るために

ねぇ 判る?
生きることは 走り続けること

そう、私たちが話しているのは 革命のこと


なにも政府転覆だけが革命ではありません。コトバの意味が変わること、それは大きな革命だと思います。

ぼくは先述の「唄う選挙演説」を見て、比例区は三宅洋平氏に投票することにしました。(参院選の比例区は、衆院選と違って「政党名でも候補者名でも記入できる」(候補者名だと個人と政党の双方にカウントされる)ということを事前に知れてよかった。いつも投票所に行ってからそのしくみを知って、膨大な候補者名簿を前にあわわとなるので。まずはこういうルールがもっとアナウンスされて然るべきと思います。)

自分でも驚くほど(もっと吟味しなくていいのかと)、すっとそう決めた。彼が主張する政策についての細かな点については吟味していないし、主要な政党に属さずにたった一人で国会に乗り込んで政治家としてどこまでやれるのかは分かりません。何も出来ないという結果になるかもしれない。

それでも、ぼくは自分の感性が感じたこのヴァイヴを信じることにします。「政治のことば」が変わっていくことに期待して、一票を投じるつもりです。そういう投票の仕方もアリってこと、じゃないかな。

何十年か後になって、自分がこの人に投票したということとその理由を自分の子供たちにちゃんと説明できる人に投票したい。そうすることで、子供たちにも自分で「考えて」ほしい。「俺も分かんねえことだらけだからさ、一緒に勉強していこうよ」と三宅さんは言います。自分の周辺から少しずつ、小さなRevolutionをしていくこと。そのことについて話し合うこと。「公」の概念を理解している(成熟した)大人が2割いれば、その社会は機能していく、という内田樹さんの言葉がぼくはずっと頭に残っているんです。

三宅洋平(比例区)緑の党 唄う選挙演説

三宅洋平(比例区)緑の党 唄う選挙演説 2013.07.16 Tuesday [政治・メディア] comments(0)
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