GM(遺伝子組み換え)作物との付き合い方 まずは存在を知ること

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ドイツ在住の方のあるつぶやき。

加納織る子さんのツイートより
原材料表示で「遺伝子組み換えでない」はよく目にするが、初めて「遺伝子組み換えである」と明記された欧州販売用の日本製のお酢を発見した。素直に表記してくれた事に感謝するが、ここで疑問。日本でこの表記にお目にかかる事ってあったっけ? http://twitpic.com/chprpb


その後のやり取りが興味深かったので、こちらにまとめさせて頂きました。
欧州販売用のミツカン酢には「遺伝子組み換えである」が明記 - Togetter

欧州で販売されているミツカン酢には「遺伝子組み換えである」と明記されているそうです。日本で販売されている同じ商品には記載されていません(参考)。

以前、モンサント社について調べた時(過去記事:モンサント社は何をしようとしているのか。)、日本に流通している大豆の約60%は遺伝子組み換えであるということを知りました。遺伝子組換えが混入しても5%以下であれば「遺伝子組み換えでない」と表記してもよいという決まりがあることも。

kurikuri321さんのツイートより
ブドウ糖液糖、とか果糖液糖、という表示に誤魔化されるけど、これらは実はコーンシロップ。ほとんどのコーンシロップは遺伝子組み換えの加工用コーンから出来ている事実を踏まえると巷に売られているお菓子・ジュース何もかもが遺伝子組み換え品でできている。避けて暮らすのは至難の技( ´_ゝ`)

納豆自体は遺伝子組み換えでなくても、添付されてる「タレ」はブドウ糖液糖(遺伝子組み換えコーンシロップ)を含んでいてアウト! ポップコーンのコーン自体は遺伝子組み換えでなくとも、使っている植物油(混合加工用油は表示義務なし)は遺伝子組み換えコーンを含んでいていてアウト! など。

遺伝子組み換え表示義務品が少ないため、実は遺伝子組み換え品を知らないうちに大量に食べさせられているのが日本。混合加工食用油(=植物油、と表記される)は基本的に大豆や菜種、コーン由来。でも表記義務ないので書かない。良心的なところは一応「不分別」ぐらいは書くけど。四面楚歌日本!!

日本で放射性物質を完全に避けて暮らすことと、遺伝子組み換え食品を完全に避けて暮らすことは同じくらい困難を極めていると思う、というのが素直な観察的感想。それくらい、遺伝子組み換え食品は加工品として姿を変え食卓にのさばっている。その事実に対してどうアクションするかは人それぞれ。


ヨーロッパではGMO(遺伝子組み換え作物)に対する反対運動や規制が行われています。

遺伝子組み換え作物を拒否するヨーロッパ - patagonia パタゴニア・ウェブサイト
によれば、1996年にモンサント社のラウンドアップ耐性大豆が承認されてから、EUではGMOに対する市民の反対運動が本格化したそうです。その結果、GMOのラベル表示や食品製造工程のすべての段階における追跡調査を可能にすること、さらにGMOの承認時には常に「予防の原則」に基づくことを強制しているそうです。ミツカン酢の欧州と日本における表示の差異には、きちんとした経緯と理由があるのです。

農林水産省のウェブサイトも参考まで。
EUにおける遺伝子組換え食品等の表示制度及び実施状況 ... - 農林水産省

で、そういったヨーロッパの動きに対してGM企業側から下記のような牽制も当然あります。モンサント社ならそういうこともやりかねないとぼくは思っています。
WikiLeaks: モンサントの遺伝子組み換え作物を拒む欧州に米国が報復を検討 - Democracy Now!

さらにはこんなニュースも。
米モンサントの除草剤訴訟、原告勝利で賠償命令 フランス - AFPBB News
遺伝子組み換え作物の承認凍結をEUが決定 - webDICE

これは現在進行形の出来事です。最後の、2013年1月の記事には「欧州委員会は遺伝子組み換え作物の承認手続きを2014年末まで凍結することを決定した」とあります。

GMOをめぐる攻防、つまりぼくたちの食をめぐる環境は、現在も世界中で綱引きが続いている状態なのだと推測できます。日本ではあまりGMOについてのニュースは話題に上りませんが、これはTPPにも大いに関わってくる問題です。TPPに参加すれば、遺伝子組み換え食品は必ず増えます。それも品質表示の規制撤廃という手段を使って。この攻防もまた、資本主義と民主主義のせめぎ合いなのです。

パタゴニアの記事より
GMOに関する闘争は、一方に環境保護および消費者団体を、他方に強力な多国籍企業とGMO支持の政府を、小さなダビデと巨人ゴリアテに例えられながら続いています。


巨人ゴリアテにとっていちばん都合がいいのは、人々が無関心でいてくれること。知らないうちに表示方法を変えて、知らないうちに流通してしまえば、誰も気付かない。誰も傷つかない(傷ついていることにすら気付かないで済む)。

これはGMOに限った話ではなく、巨人ゴリアテの常套手段です。そういう視点で身の回りをよーく見回してみると、いろいろ腑に落ちることがあるはずです(無いかもしれません)。

「巷に売られているお菓子・ジュース何もかもが遺伝子組み換え品でできている」
「避けて暮らすのは至難の技」
「表記義務はない」
などと言われると、「じゃあ何も食えないだろ」「陰謀論」「悪影響の科学的根拠が無い」と拒否反応を示す人がいます。これもGMOに限った話ではありません。

いろいろ書いてますけれども、実際にはぼくも食に対する意識が決して高い方ではありません。カップラーメンも好きですし、全然ストイックではありません。それでも、なるべく安心な食材をと思うと、どうしても値段は高めになります。だから、拒否反応を示したくなる気持ちも分かります。必要以上に攻撃的になるのは、きっと自分自身に対するエクスキューズなんだと思う。

だけど、これって0か100かという問題ではないはずです。あるものは仕方ない。0にすることは無理でも出来るだけ避けたいわけで、そのためにこういうことを認識しておくことは必要だと思います。認識した上で、その先は個々人の選択に委ねられるというだけの話なんですよね。

めんどくさいから嫌になるけど。誰だって好き好んでそんなめんどくさいことしたくないですよ。だから拒否反応を示しちゃうのかもしれない。希望的観測、楽観論にすがりたくなる。たしかにそれは分かるけど、だからといって他人の選択を貶めたりデマ扱いするのはまた違うと思います。体に良いか悪いかなんて誰にも分かっていないんだから。

「それが入っているかどうかが最大の問題なのではなく、それが入っているかどうかを判断するすべが奪われているのが最大の問題」(参考)なんですね。

なにかを判断するための材料が与えられた上で、各自が自分の立場や環境、家族構成や家計、イデオロギー、なんでもいいんですが、とにかく自分のあたまで考えて自分で価値判断すること。これが成熟した民主主義社会における市民のスタンスだと思います。その前段階で情報をコントロールしようとするのは、主体者に対して敬意を欠く態度だと思います。風評被害だとかデマを流すなとかいうのは情報統制でしょう。

だって、いくら機会を与えられたって、けっきょくは届く人には届くし、届かない人には届かないんですよね。人って、自分の見たいものしか見ないし、自分の信じたいものしか信じないものです。ぼくもまさにそうです。だからせめて、こっちの見たいものを勝手に決めないでほしいです。


GM(遺伝子組み換え)作物との付き合い方 まずは存在を知ること

GM(遺伝子組み換え)作物との付き合い方 まずは存在を知ること 2013.04.08 Monday [食・生活] comments(0)
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