春の陽気にリップスライムを聴いた

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金曜の夜に降った雨で、駐車場の傍らに残っていた雪もだいぶ溶け、山形市にも春の気配がやってきた週末。日射しもやわらかく、とても気持ちのよい天気に誘われて、なんだか無性に聴きたくなったのがリップスライム。でも持ってなかったのでレンタル屋さんでベスト盤を借りてきました。

いまさらぼくなんかが紹介するまでもなく有名なバンドなんで、なにをいまさら、ですけれども。いやあ実は「楽園ベイべー」の頃にちょっと聴いていたくらいで、ほとんど追いかけていなかったんです。

いやあ、いいですね彼ら。


RIP SLYME
ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2005-08-31



なにがいいって、この「かる〜い」感じ。なんにも無い感じ。もちろん歌詞もあって、なんか言ってますが、ぜんぜん頭に入ってこない。「楽しさ」とか「気持ちよさ」だけを抽出したような潔さが、いいなあ。

この気持ち良さの裏には、音づくりへの職人的なこだわりもあるんだろうけど、聴く側にそんなことをぜんぜん意識させない。アーティスティックな香りがまったくしない。隣の兄ちゃんたちが集まってBBQとかなんかやってるって感じ。

褒めてます。

ミュージシャンに対してそんな褒め方があるかいという気もしますが、音楽にもいろいろあって。ぼくにとっての音楽って、生活の傍らにあるもので。その時々の気分に寄り添ってくれたり、乗算してくれたり。ああ、いまこういう感じの聴きたいなあと思う瞬間があって、それにハマる音楽を引っぱりだしてこれた時はすっごい気持ちいい(あまりシャッフルという聴き方はしません)。だから節操なく、いろいろな音楽が好きです。

北国のく寒長い冬がようやく終わり、あたたかな季節の息吹を感じるとき。これから色とりどりの春がやってくるというわくわく感。そんなときに、小難しい音楽を聴きたくないっす。日本のヒップホップにありがちな自己啓発的なリリックとか聴きたくないっす。頭あぽーんとさせて川原に出かけたりBBQとかしたくなるじゃないですか。

リップスラムの「かる〜い」感じ。なんにも無い感じ。これって、実はすごいことなんじゃないかと思ったり。押し付けがましくなく、さり気なく、傍らにいてくれる。そういうスタンスが、いいよなあと。本人たちは本人たちが好きなことをやってるだけっていう。


3月11日に、被災地に思いを馳せて感傷的な気分になるのは必然なんだけれども、それってあくまでも自分の中での感情だと思うんです。ぼくはやっぱりいまだに、絆ソングっていうのが好きになれなくて。もちろんそれで救われる人もいるということは分かる。だけど、そこに感情を込めるのはこちらの勝手であって。絆ソングのもとに、みんなが一緒に大同団結しましょうという教科書的な感じが、どうしても馴染めない。歌に感情を込めることは悪いことではないけれども、それに対する受けとめ方は人それぞれ。立場や環境によってまるで異なる。

勝手に感情を込めて同情されたり、分かったふうな口調で外野からあれこれ言われるのが、いちばん嫌だな。ぼくだったら。


だから、リップスライムの「なんにも無い感じ」っていうのは、自分と他者との関わりという関係性を前にしたときに、べつに優等生になる必要はないんだぜということを教えてくれる。リップスライム本人たちがそう思っているかは分からないけれども。彼らの音楽みたいな心地よさ、風通しの良さが、人間関係とか社会の中にあったらずいぶんラクだろうなと。つながる人はつながるし、つながらない人はつながらない。それでいいじゃんと。

そしてこれ、ベスト盤でありながらオリジナルアルバムのように聴けてしまうんです。彼らの「かるさ」は年を追っても変わっていない。このベスト盤の5年後にまた新たなベスト盤がリリースされているみたいですが、たぶんこれまた変わっていないんだろうなと思わせる。そう思わせるのが彼らの魅力なんだなと思いました。


春の陽気にリップスライムを聴いた

春の陽気にリップスライムを聴いた 2013.03.12 Tuesday [音楽・映像] comments(0)
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