くるり「さよならアメリカ」

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今年リリースされたくるりの新譜。
40秒の「無題」が1曲目だけど、ほぼアルバムの冒頭を飾るといっていいのが2曲目「さよならアメリカ」。

くるりのことは、好きな曲もあるし、なんとなく気になる存在ではあるけれども、アルバムを通して聴くほどのファンでもありませんでした。しかし、2010年のこのタイミングで、このタイトル。さらに、歌詞の出だしを知ったとき、これは聴かねば!と思いました。

ろくでなしアメリカの 手のひらで泳ぎつかれたよ
干上がった生命線 ここはきれいな河でした

たくさんの置きみやげ ぼくらは使って暮らしていますよ
でもこれで十分よ 時代は変わり巡り巡る

さよならアメリカ さよなら さよなら
日の本 ここだよ さよなら

歌詞全文はこちら


2009年に起こった政権交代という事件やその後の動乱、フリージャーナリストによる情報、またツイッターなどを通して、ぼくが知ってしまったことのほぼすべてがここに集約されているように感じました。

なぜ、鳩山さんは沖縄問題でブレたのか。なぜ、小沢一郎は政治とカネの問題で追及されているのか。なぜ、検察審査会はあれほど不透明なのか。なぜ、尖閣問題が大騒ぎになったのか。なぜ、クロスオーナーシップの禁止を提言した原口さんは更迭されたのか。なぜ、代表選の時にあれほど言われた挙党一致という言葉が無視されているのか。なぜ記者会見のオープン化が頓挫しているのか。なぜ、政権交代時に国民が選挙で選んだ民主党と180度方向転換した現政権が仮にも議会制民主主義を標榜する日本という国で政権存続できるのか。そして、なぜ、これらのほぼすべてをマスメディアは検証して報じないのか。なぜ、ウィキリークスを黙殺するのか。

対米従属、あるいは対米隷属という言葉があります。
日本はアメリカの52番目の州、アメリカの植民地と言われることもあります。常にアメリカの顔色を伺い、「抑止力」を提供してもらうかわりに財源を提供する。アメリカの了承無しに、自分の意見などを言ったことなどない。アメリカの意に沿うことを明確に宣言した小泉純一郎氏は、アメリカから好意的に受け入れられました。あたりまえです。基本的に対米従属路線だった自民党から、民主党に政権が交代し、アメリカの了承も無しに何を言い出すかわからない「宇宙人」鳩山由紀夫氏が首相に就いた時、アメリカは警戒しました。あたりまえです。鳩山さんはそれまでタブーとされてきた沖縄という蓋を開けようとしました。宇宙人ですから。ところが、蓋の中は想像していた以上に腐乱が進み、臭かった。一緒に開けてくれると思っていた仲間も逃げ出してしまったようです。独りでどうにもならなくなった鳩山さんは開けかけた蓋をもう一度閉めてしまいました。蓋の中には「抑止力」があった、という言葉をのこして。

菅直人氏が首相に就いてから、民主党はあきらかにおかしくなりました。会見のオープン化を後退させ、財務省主導の事業仕分けでお茶を濁し、沖縄知事選では県外移設を訴える候補者への支援を禁じました。武器輸出3原則の見直しを言い出したり(ウィキリークスは、アメリカからの圧力があったことを暴露しています)。どうやら官僚やマスコミ、財界といったエスタブリッシュメントとすっかり仲良しになってしまった菅政権は、不思議なことにアメリカの意向と一致した方向ばかりを指向しています。かつての自民党以上にべったりと。ジャーナリストの岩上安身さんは、日本の首相は中間管理職で、親会社は米国と言っています。言い得て妙です。(いまの日本を考える上でとても重要な案件ですので、またじっくりと吟味したい問題です。)

知ることとは、信じることと同じだと思います。日本政府が対米従属だなんて、日本のマスコミでは報じられない(マスコミ自身が対米従属なんだからあたりまえです)。ぼくは、真実を知ったわけではなく、マスコミや雑誌、書籍、インターネットでの情報を見比べた上で、そう考えたほうがいろいろなことが腑に落ちると思うから、そう信じているにすぎません。


そこで、くるりのこの曲。
ぜんぶ言ってるじゃないですか。びっくりしました。

菅政権は、生き残る道はこれしかないと思ったのかもしれませんが、ぼくはもう、しっぽをふってわんわんとすり寄っていくのはごめんです。自分の足で立たないと。それは決して「反米」ではありません。アンチ・アメリカになろう、アメリカ大嫌い、というわけじゃない。だって、たくさんの置きみやげを使って暮らしているんだから。「夢と自由の国アメリカ」に憧れていたあの気持ちは嘘じゃないんだから。愛着はきっと今でもあるんだから。

今までありがとう。ぼくたちは卒業します。

永遠にさようならするわけじゃありません。これからも付き合っていこうと思うからこそ、互いの関係を常に見つめ直すことは必要だと思うんです。そこからが大人同士の付き合いのはじまりではないでしょうか。
それが、「さよならアメリカ」の意味だと、ぼくは思います。



「さよならアメリカ」収録の9thアルバムはこちら。
下記リンクより試聴も可能です。





くるり「さよならアメリカ」

くるり「さよならアメリカ」 2010.12.10 Friday [音楽・映像] comments(1)
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NEMO (2012.07.20)

ますますアメリカに、そして原発にさよならしなくちゃいけない国になってしまった










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